拡大生産者責任(EPR)関連申告
WEEE指令(EU)
WEEE指令(EU)
施行日: 2003年2月13日(改定版は2012年8月24日施行)
対象物: 電子電気機器(家庭用および業務用の小型家電、IT機器、照明器具など)
義務: EU市場に電子機器を供給する企業は、廃棄物の回収・リサイクルを確保し、登録義務を負う。製造者登録番号を取得し、消費者にリサイクル情報を提供する必要がある。
罰則: 義務不履行に対し罰金、行政処分、製品販売停止などが科される場合がある。
Battery規則(EU)
Battery規則(EU)
施行日: 現行規則は2006年9月6日施行、新規則は2024年に発効予定
対象物: 全種類の電池およびバッテリーパック(ポータブル、産業用、自動車用など)
義務: 製造者はバッテリー廃棄物の回収・リサイクル、登録義務、環境への影響を軽減するための設計基準遵守が求められる。特定の化学物質の含有制限も課される。
罰則: 義務違反により罰金や販売禁止が発生する可能性がある。
ドイツ包装法(ドイツ)
ドイツ包装法(ドイツ)
施行日: 2019年1月1日
対象物: 包装材(製品輸送用、販売用、外装用のパッケージすべて)
義務: ドイツ市場で商品を販売する事業者は、包装材のリサイクルシステムに登録し、費用負担を行う必要がある。また、中央登録機関LUCIDへの登録が義務付けられている。
罰則: 違反者には最高20万ユーロの罰金、登録未履行の場合は販売禁止措置が取られることがある。
EUの拡大生産者責任:立法趣旨と施行実績
EUの拡大生産者責任(EPR: Extended Producer Responsibility)は、環境負荷を削減することを目的とした政策の一環として導入されました。その立法趣旨は、製品のライフサイクル全体において生産者が責任を負うことで、廃棄物の発生を抑制し、リサイクル率を向上させることにあります。特に、電子電気機器、バッテリー、包装材などの廃棄物に関する法律が整備され、製造者がこれらのリサイクル費用や適切な廃棄プロセスを確保することが義務付けられています。
例えば、WEEE指令(電子電気機器廃棄物指令)は2003年に施行され、2012年に改定されました。この指令では、電子機器を供給する企業に対し、製品の収集、処理、リサイクルの費用を負担する責任が課されています。また、Battery指令は2006年に施行され、バッテリー内の有害物質を規制しつつ、使用済みバッテリーのリサイクル体制を構築することを求めています。さらに、ドイツをはじめとする各国では包装材に関する規制が強化されており、ドイツ包装法(Verpackungsgesetz)は2019年から施行されています。この法律では、包装材を使用する企業に対し、中央登録機関LUCIDへの登録や、リサイクル費用の負担が義務化されています。
施行実績としては、EU全体で廃棄物のリサイクル率が向上していることが挙げられます。Eurostatのデータによれば、WEEE指令に基づくリサイクル率は60%以上に達しており、多くの国で目標が達成されています。しかし一方で、適切な登録や報告が行われない場合もあり、未登録事業者に対する罰則が適用されるケースも増加しています。これらの法律は環境保護の観点から重要な役割を果たしており、製造者や輸出者には法的責任が厳しく問われることを認識する必要があります。
越境ECセラーが対応すべき問題
EUの環境法は非常に厳格であり、環境負荷を低減するために細かい規制が設けられています。しかし、多くの日本人越境ECセラーはこれらの法律について十分に理解していないことが少なくありません。この無知は、知らないうちに法律違反を犯すリスクを高め、事業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。
例えば、EUで電子機器を販売する場合、WEEE指令に基づく登録義務があります。この登録を怠ると、EU諸国での販売が禁止されたり、高額な罰金を科されたりするリスクがあります。同様に、包装材を使用して商品を輸送する場合には、ドイツ包装法(Verpackungsgesetz)に基づき、LUCIDへの登録が必要です。この登録を行わない場合、商品をドイツ国内で販売することができなくなる可能性があります。また、バッテリーを含む商品を販売する場合には、Battery規則に従った登録およびリサイクル体制の整備が求められます。
特に越境ECセラーは、自社が小規模であっても、現地の規制を免除されることはありません。EUの規制は製造者だけでなく、輸入者や販売者にも適用されるため、無登録や義務不履行は必ず摘発の対象となります。また、環境法の遵守が不十分な企業は、ブランドイメージの低下や信用喪失を招くリスクもあります。
そのため、越境ECを展開する日本企業は、取引対象国の環境法規制を十分に理解し、遵守することが重要です。具体的には、現地の専門家に相談し、必要な登録やリサイクル体制の整備を確実に行うことをお勧めします。さらに、環境対応を積極的にPRすることで、EU市場での競争力を高めることができます。環境法の違反は事業停止や罰則だけでなく、企業の将来に大きな影響を与える可能性があるため、十分な注意が必要です。
EPR申告のフロー
EPR申告のフローは下記の通りです。
廃棄予定物によって異なる申告や申告頻度となり、個別に対応します。
EPR(拡大生産者責任)対応は全EUビジネスの対象範囲
EUでは環境破壊に対して多くの法律があります。このため、越境EC業界(段ボールやビニール、及び販売する商品)だけでなく、全ての業界が留意すべきものです。
TABLE OF CONTENTS
アドバイスから申告・納税まで
アドバイスから申告・納税まで
- 当社では意見書の作成から税申告まで一括して対応します。
- 該当する税法や判例の他、最新の電子インボイス税制などのアドバイスも可能です。
- 間違えた地域での税登録を防ぎます。
- 意見書の結果に基づいて税登録や税申告も実施、納税対応も行っています。
70カ国以上の対象地域
70カ国以上の対象地域
- 当社ではEU、英国、UAE、ロシア、北米、カナダ、韓国、中国、インドなど、世界70カ国での税登録や税申告を対応可能です。
- またアドバイザリーではグローバルな世界最大級の税理士法人と提携し、世界140カ国以上の地域でのアドバイスが可能です。
- 一括して貴社ビジネスをご支援させて頂きます。
越境ECに関する知見とIT化
越境ECに関する知見とIT化
- 越境ECという言葉が黎明期であった13年前より当該分野ばかりを対応。
- 税務だけでなく関連する越境ECの情報も多くございます。また、越境EC周辺企業とも提供して価値を創造しています。
- 越境ECの税申告に特化したMyOptiをご利用頂き、一貫した対応が可能です。